実証実験 概要
皆様、こんにちは。株式会社なごみテクノロジーです。今回は、当社が実施中の実証実験について、ご説明いたします。本実証実験は、平成30年度公益財団法人京都産業21「企業の森・産学の森」推進事業より補助を受け実施いたしております。実施期間は2018年10月~2019年9月までの1年間となっています。
本年度の目的は、(1)健康エージェントの基本コンセプトである「対話による健康管理」が想定されるシニアの方に本当に使えるものであるのか?(2)人ではなく端末に話しかけるとすると、どの様な事を話していただけるのか?の2点を確認する事です。合わせて、今後の解析用アルゴリズムを検証するために、できるだけ多くの発話データを収集したいと考えています。
【️第1期実証実験】
期間 2019年1月~2月のうちの3週間対象者 京都府内在住の13名(60歳代~80歳代)
利用システム
- Androidスマートフォンアプリ(なごみアプリver1.0)
- 音声認識 Android Speech Recognizer
- 音声合成 Google Text-to-Speech
- 対話エンジン Botbird For Business(メタバード社製)
- 対話辞書 バイタル登録用+体調ヒアリング用+雑談用独自辞書(約100単語)
- クラウド環境 AWS(Webアプリ、DB、画像サーバなど)
スマートフォンアプリ動作仕様
ユーザの発話に対してシステムが応答する「一問一答型」の対話が可能。血圧登録時には、「血圧を記録して」と発話する事で、血圧登録用のシナリオに遷移。簡単な雑談モードを持ち、登録辞書によるポジティブ/ネガティブの判断を行う。ポジティブ/ネガティブの判断に対応して、画面上に表示されているキャラクターの表情を変化させる。キャラクターは6種類(ニュートラル、ポジティブ共感、承認・応援、励まし、ネガティブ共感、心配)
実施内容
1)対象者には、開始日に集まっていただき、実験内容の説明、アプリの使い方の説明を30分程度行い、その後一人づつQOLのインタビューを20分実施しました。2) その後3週間、自宅にて毎朝血圧を測定してもらい、配布したスマートフォンのアプリを立ち上げて、音声で血圧の数値を登録してもらいます。その際、アプリ側から体調に関する質問をしてそれに答えていただきました。3) 最終日には、再度集まっていただき、QOLのインタビューとシステムに関するアンケートを実施しました。
アンケート結果
アンケートは、「操作性」「音声認識」「応答妥当性」「親しみやすさ」「必要性」のそれぞれについて、5段階で評価していただきました。5が最高評価(Good)、1が最低評価(Bad)です。 13名の方の回答分布を箱ひげ図で表現しています。
これをみると、システムの完成度としてはまだまだですが、必要性は感じていただけたようです。