第12回 『インタフェース』

皆様こんにちは,同志社大学の土屋誠司です.今回は,対話システムを使う際の入出力にあたるインタフェースについて書いてみたいと思います.

コンピュータに対して入力をする際にはキーボードやマウス,タッチパネルを使い,出力はディスプレイやプリンターを使われることが多いのではないかと思います.対話システムを利用する際にもこれらの装置を利用するケースが一般的です.このような入出力を行う装置のことをインタフェースと呼びます.このインタフェースがうまくできていないとストレスや疲れの原因になってしまいます.

我々が人と話をする際には,その際に使用するメディアにもよりますが,言葉だけではなく,顔表情や声色,身振り手振りなども利用して言葉を補い,言いたいこと,伝えたいことを表現しようとします.このような言葉以外のコミュニケーションのことをノンバーバルコミュニケーションと呼びます.ちなみに,言葉によるコミュニケーションはバーバルコミュニケーションです.

もちろん,これらの表現方法のすべてを利用できる対面でのコミュニケーションが最も情報量が多く,誤解を回避することがしやすいかと思います.電話であれば声,メールやチャットになると文字だけに情報源が限られてしまいますので,便利かもしれませんがその分いろんな情報が欠落してしまっているのも確かです.そのため,誤解やトラブルに巻き込まれるケースはより増えることになります.使用できる表現方法が限られれば限られるほど,その使用できる表現方法を巧みに利用する必要があります.

これは人間同士のコミュニケーションに限ったことではなく,人とコンピュータとのやり取りでも起こり得ることです.今は,文字を使ってコンピュータに指示をし,結果を文字で受け取ることが一般的ですが,文字だけではなく,音声や画像,動画などで指示をし,結果もそれらのメディアを使って受け取れるようになったとしたら,もっともっと便利に,的確に処理することができるかと思います.

入出力のためのインタフェース技術も日々進化をしており,バーチャル空間でやり取りをすることも一般的になるかもしれません.現実の世界と区別がつかなくなって...などというSFの世界が現実になる日も近いかもしれないですね.これらの技術はエンターテインメントだけではなく,ハンディキャップをお持ちの方々の補助ツールとしても有効に機能します.リアルタイムに手話を翻訳したり,文字情報を情緒豊かに読み上げたりできると,これまで以上に多くの人々がストレスなく,障壁なくコミュニケーションを行うことができるかと思います.

情報技術は健常者,エンターテインメント,平時のためだけにあるわけではありません.ハンディキャップをお持ちの方や有事の際に,その困難な物事を,障壁になっている物事を取り払うためにも有効に機能させることができるのです.