脳と💛ハート(心臓)を護る 10 カ条:まずは 5 カ条

医療創生大学 スーディ K. 和代

アルツハイマー病で亡くなった人たちの脳を見てみると,約 80%の人に心臓血管性の病 気があることが分かっています。つまり、アルツハイマー病にかかりにくくする手段の一つ として,糖尿病, 高血圧症,高脂血症などを予防することが効果的だということです。

脳の健康維持 10 カ条をご紹介しますので,10 カ条攻略に挑戦して,認知症リスクを軽減 してみませんか?

第 1 条:定期的に汗を流そう。先日も述べましたが,運動は認知力を上げます。認知力を 上げるには脳に必要な血流を送る必要があります。それには,やはり運動! 1 回の心臓の 鼓動毎に約 20%の酸素と 20-25%の動脈血が脳に行きます。考え事をしている時には全酸 素量の 50%が脳にいくといわれています。つまり,脳には十分な酸素,栄養,血液を送ら なければ認知力が低下するのです。

第 2 条:本を読みましょう。 認知症のリスクの一つは【教育レベル】であるといわれて います。それは必ずしも学位の有無や学校に通った年数だけを指しているのではなく,脳 への知的刺激の大切さを示唆しているのです。声を出して新聞や本を読むのもお勧めで す。

第 3 条:禁煙をしましょう。 喫煙は認知力(事象についての性質を知ること・知識を持 つこと)を低下させることは科学で証明されています。禁煙することで,認知症リスクを 軽減できます。第 1 条にありますように,脳に血液を送るには柔軟性のある血菅が大切 ですが,喫煙はその血管を収縮させるので十分な血液や酸素がスムーズに脳へ運ばれな くなるのです。

第 4 条:💛ハートを守ろう。 心臓血管性の病気・肥満・高血圧症・糖尿病は認知力低下 に関係していることは科学的に証明されています。心臓の病気を予防するには,体重と血 圧測定を習慣づけましょう。測定を継続するだけでも,意識が良い方向に変化します。ま た,食べ物を口に入れる前に食べ物を眺めて,ご自分の身体と相談して,【やはり、食べ たい!】と思ったら,どうぞ。 この小さな習慣が過食予防にも役立ち,肥満回避にもな ります。

第 5 条:ヘルメットに投資。 脳の損傷は認知力低下のリスク要因の一つです。①運転 者でなくても,走行中はシートベルト着用を習慣にしましょう。②日本では法律で定め られていないので,自転車での走行中のヘルメット着用をしている人は極少です。自転車 用レーンも十分に定まっていない道路が多い中,事故のリスクは高まります。脳の損傷予 防にヘルメット着用! 3 ヘルメットを被るのに抵抗のある人は,一見ヘルメットには 見えない頭部保護用帽子が販売されていますよ。

次回は残りの 5 カ条を解説します。次号まで,最初の 5 カ条に挑戦してみてください。